Macに最適なEmacsを選びたいと思います。 というのも新しくMac miniを購入したからで、これにインストールするEmacsです。
以前にMacbookを購入したときにも、Emacsについていろいろ調べて、 結局、自分でビルドしてインストールしたのですが、 なぜそうしたのか?どのようにインストールしたのか? などはほとんど覚えていません(>_<)
そのため、今回、改めて一からEmacsを選び直します。 なお付け加えておくと、MacbookのEmacsは不満もなく快適に使えています。
最適なEmacsの条件
まず、選ぶにあたってどんなEmacsが良いのか考えます。 私の場合、最適なEmacsとして次を条件として挙げました。
- 本家GNU Emacsと同じ操作感であること。
- できればインストールは簡単がいい
- GUIが使えること。
- OSのIMEで快適に日本語入力ができること。
- OSのIMEが日本語入力のときでも、Emacsのコマンドが打てること。
1つ目の条件はキーバインドや機能がデフォルトで本家Emacsとほとんど同じならOKにします。 変にいじられてたらびっくりしちゃいますからね。 そしてインストールは簡単に越したことはありません。 ターミナルでEmacsを使うことがほぼないので、GUIが使えることも条件に入れておきます。
さて、4つ目と5つ目の条件は重要です。 これらが満足にできないと使い物になりません。 4つ目の条件をもう少しブレークダウンすると次のようになります。
- OSのIMEが使えること
- 日本語をインラインで入力・変換できること
- そして、これらが快適に実行できること
5つ目の条件は、 例えば、日本語入力中に「C-x b」とキーを打った場合、 bが変換中の文字となってしまうのはダメです。 これはbの入力をIMEが奪ってしまうためで(たぶん)、 入力を確定しないとbの文字はEmacsに渡されません。
これでは使い勝手が悪いので、 日本語入力中でも「C-x b」と打ったときに、 ちゃんとswitch-to-bufferを呼び出して欲しいです。
これについては以下のサイトなどが参考になるでしょう。
mac-auto-ascii-modeについては OSXのEmacsにインラインパッチなんていらなかったんや... などが参考になります。
また、上記の記事がリンクしている Emacs 25.3/26.1 を EMP版で快適に使う も興味深い。
さて、前置きが長くなりましたが(でも大事なこと), これらの条件を満たすEmacsを探してみたいと思います。
MacのためのEmacsバイナリの種類
調べたところバイナリで配布されている代表的なEmacsは次のようなものがありました。
- GNU Emacs
- 言わずと知れた本家のGNU Emacs。 MAC用のバイナリも配布している。 ただし、最新版(現時点でバージョン26.3)は、日本語入力にチラつく問題がある。 ダウンロードは ここからできる。
- GNU Emacs/Cocoa
- GNU Emacs/CocoaはネイティブMACアプリのためのObject-C APIであるCocoaを使っているらしい。 ネイティブMAC用のAPIを使っているので、多分GUIはMAC風なのだと想像する。
- Aquamacs Emacs
- AquamacsもCocoa上で動くMacライクなEmacsらしい。
- Emacs Mac Port版
- Gnu Emacsの安定版をベースにMitsuharu Yamamoto氏のパッチを当てたもの(という定義で良いのかな?)。 略してEMP版と呼ばれることもある。 本来は自分でビルドするものらしいが、幸いrailwaycat氏がビルドして配布しているものも あるとのこと。これはHomebrewでインストールできる。
Macに最適なのはEmacs Mac Port版
結論から言うとEmacs Mac Port版が最適だと思います。
なにはともあれGNU Emacsをまずインストールし試してみましたが、 日本語入力がちらつく問題や日本語入力中にコマンド入力がIMEに奪われてしまうなど、 全然ダメでした。次にネットでも評判の良いEmacs Mac Port版を使ってみました。 もちろんrailwaycat氏が配布しているバイナリ版です。
これは日本語入力も快適です。 日本語入力中にC-xやM-xなどを打つと自動で英語モードに切り替わりるので、 Emacsのコマンドも快適に実行できます。
ただし自動で英語モードになってしまうと、日本語入力モードに戻す手間が増えるので、 好みの分かれるところだと思います。 一律英語モードになるので、その前が英語モードだったか日本語入力モードだったかを 意識する必要がないと考えれば利点と考えることもできます。
細かいところは使い込んでみないとわかりませんが、 非常に満足しています。 と言うことで、これ以上は他を当たるのはやめました。
Emacs Mac Port版のインストール
Emacs Mac Port版のインストール方法は次のとおりです。 もちろんrailwaycat氏のバイナリ版のインストール方法です。
$ brew tap railwaycat/emacsmacport $ brew install emacs-mac --with-modern-icon --with-imagemagic $ ln -s /usr/local/Cellar/emacs-mac/emacs-26.3-z-mac-7.8/Emacs.app /Applications
インストール時のオプションは「brew tap」の後に「brew info emacs-mac」を実行すれば確認できます。 上記ではモダンアイコンとImageMagicのサポートを指定しています。
$ brew tap railwaycat/emacsmacport $ brew info emacs-mac
Emacs Mac Port版の設定
最低限必要な設定はこれだけです。
(mac-auto-ascii-mode 1)
この設定でC-xやM-xを打ったときに、英語モードに切り替わります。 その他の設定は先ほど紹介した Emacs 25.3/26.1 を EMP版で快適に使う などを参考にしても良いでしょう。
以上でEmacs選びはおしまいです。 それでは快適なEmacsライフを。