IT関係の文章を書いているときに、IPアドレスやドメイン名などを含む例を書きたいときがあります。このとき、実際に使われている(あるいは使われる予定のある)ものを例に使ってしまうと、他人に迷惑をかけたり、問題となってしまうことがあるのは容易に想像できます。
このような場合に備えてドキュメントに使用するためのIPアドレスやドメイン名がきちんと国際規格で予約されています。この記事ではそのような用途に使用できるIPv4アドレス、IPv6アドレス、ドメイン名、おまけにMACアドレスについて紹介します。
例示用に使用できるIPv4アドレス
以下に示すIPv4アドレスのブロックはドキュメントで使用する目的で予約されているので、ドキュメントで自由に使って構いません。
- 192.0.2.0/24
- 198.51.100.0/24
- 203.0.113.0/24
つまり、1番目の場合なら192.0.2.0〜192.0.2.255の範囲のIPアドレスをドキュメントで使用して良いということです。192.0.2.0/25と192.0.2.128/25のようにネットワークのIPアドレスとして使用しても良いでしょう。
これらはRFC5737で規定されています。これらの範囲のIPアドレスは公に使われることはない(使うことができない)ので、ドキュメントで使用しても誰か他の人に迷惑をかける心配はありませn。
例示用に使用できるIPv6アドレス
IPv6にもドキュメントに使用するために予約されたIPアドレスがあります。IPv6用に予約されているアドレスブロックに次の1つだけです。
- 2001:DB8::/32
例示用に使用できるドメイン名
例で使用できるドメイン名はRFC2606で規定されている。
例示用のセカンドレベルドメイン名
まずはよく使われると思う例示用のセカンドレベルドメイン名から紹介します。セカンドレベルドメイン名としては次の3つが例示用に予約されている。
- example.com
- example.net
- example.org
www.example.comのようにドキュメントで使用できる。
例示用のトップレベルドメイン名
上述のセカンドレベルドメイン名よりは使用頻度は少ないと思うが、例示用に予約されているトップレベルドメイン名は次のものです。
- .example
その他、次のトップレベルドメイン名もRFC2606で予約されている。
- .test
- .invalid
- .localhost
これらはテスト用、不正であることを明示するため、DNSでループバックIPアドレスを示すための用途に予約されている。
例示用に使用できるMACアドレス
おまけとして、MACアドレスについても紹介しておこう。MACアドレスについてはRFC7042で規定されていて、次の範囲がドキュメント用としてアサインされている。
- 00-00-5E-00-53-00〜00-00-5E-00-53-FF ユニキャスト用
- 01-00-5E-90-10-00〜01-00-5E-90-10-FF マルチキャスト用
おわりに
このように他人に迷惑をかけたり、問題とならないようにきちんと規定されていますので、ドキュメントで例を書くときには、これら予約されているものを使い問題に巻き込まれないようにしましょう。